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08/07/07

日本経済を襲う二つの波

新行内です。

リチャード・クー氏の日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方を読みました。
結論:ひじょうに面白かったです。なかなかお勧めの本ですね。

けっこう内容は固いのですが、日曜の午後に紀伊国屋で購入し、面白いのでどんどん読み進めて行って、その日の夜には読み終えました。
クー氏は、NY連銀出身の野村総研のチーフエコノミストという立場で、バブル崩壊後の公共事業による財政出動の中心的論客という位置づけでTVに出演することが多く、僕も良く見たのですが、著書を読むのは今回がはじめてと記憶しています。

今、日本の国家財政の膨大な借金が非難され、その元凶となったバブル崩壊後の公共投資による財政出動に対しても否定的な評価が一般的だと思うのですが、クー氏によれば

「それによって失われた富は、図20にあるように土地と株だけで1500兆円に達した。これは日本のGDPの3年分にあたる膨大な額である。(中略)1930年代の大恐慌時も、資産価格が暴落して株価がピークの8分の1になったが、それでも当時の米国民が失った富は1929年のGDPの1年分であった。(中略)しかし、1500兆円の国富が失われたにもかかわらず、この間の日本のGDPはいっさい減らなかった。」P222(1929年のときは、4年間で米国のGDPの46%が消えたとのこと)

なーるほど。こういう見方もありますよね。もし財政出動をしていなければ、もし国が財政健全化を優先したら、もしかしたら日本を未曾有の大不況が襲い、失業率は20%を超え、GDPは4割減り、奈落の底に落ちていたかも知れない。

ガン患者が、抗がん剤に借金してお金を使い続け、なんと借金は1億円を超えてしまったけれど、どうやらガンは治った。借金1億円だし、齢も取っちゃっているけど、生きているし、まだまだ働ける。今、借金1億円を作った抗がん剤投与を非難するのはナンセンスでしょ。とまあこんな具合でしょうか。
ふむーーー。

ものごと、やはりいろいろな見方・切り口があるなーとあらためて思いましたね。

そしてクー氏は、サブプライム問題についても、戦後最悪の金融危機であるとし、住宅バブル崩壊でアメリカが日本と同じバランスシート不況となり、ドル危機が迫っているとしています。

あー、この世の中、危機に継ぐ危機。

ガンに侵され、交通事故に遭い、失業し、テロに遭い、離婚され、破産し、大地震に遭い、大型ハリケーンでぶっとばされる。

一体全体、いつかは本当の平安が訪れるんでしょうか?


新行内 宏之 | 08/07/07 17:04 | トラックバック(0)

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