- 08/10/06
ソロスは警告する
新行内です。
最近は仕事も少し忙しいのと、世界経済が崩壊するのではという状況なので、新聞やらTVニュース番組を見る時間が多くて、あまり本を読んでいません。
ということなのですが、ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ(原題はThe New Paradigm For Financial Marketsなので意訳しすぎです)を読みました。書店で何度か手に取ってぱらぱらしたりしていたのですが、今まで買わないでいた本を、とうとう購入してしまいました。
それで、まあ面白かったです。今回の金融危機については、はっきり言って、今年3月に書き終えているこの本は、現実のほうがすごすぎる状況になっており、今となってはそれほどの情報がないのだけれど(アメリカの住宅ローン残高が2001年から2007年までのわずか6年間で550兆円から1100兆円に2倍になったとかの情報はありました。75兆円程度の不良資産買い取りではとても追いつかないんじゃないのかしらね)、ソロス氏が多くのページを割いている「再帰性」についての説明はたいへん面白かった。
まあ、要約すれば、「経済は自然科学現象とは根本的に異なる。理論を当てはめることができない。経済学という学問は成り立たない。マーケットは、均衡点に向かって収れんせず、誤った方向にどんどん行ってしまう。したがって規制が必要となる。自由放任主義は間違っている」ということになると思います。
これらを「再帰性」という聞き慣れない言葉で説明するのですが、ここでは少しだけ引用してみることにします。
「「再帰性」の理論上は、バイアスかかった市場価格がファンダメンタルズにまで影響を及ぼすことがある。「市場は常に正しい」という考え方は、「市場はファンダメンタルズの反映である」という幻想からくるものだが、実際には市場は「再帰的」に、つまりは双方向的に、そのファンダメンタルズにまで影響を及ぼしうる存在なのである。
ファンダメンタルズの変化もまた、再帰的に人々のバイアスのかかった認識を強化する。市場参加者の誤った認識がさらに強められてしまうのだ。「乱反射」と言ってよいかもしれない。バイアスのかかった期待がループのようにどんどん強化された結果、バイアスのかかった方向にどんどん逸脱していくことになり、それが行きすぎるといずれは自己崩壊を起こしてしまう。これがバブルの興亡である。」(P113)
わずか6年で倍増する住宅ローンやら、CDSの契約残高が8年間で100兆円から4300兆円に激増したなど、たしかに市場はバイアスがかり、バイアスがかかった市場に経済のファンダメンタルズが影響され、それがまた市場にバイアスをかけた結果、今回のような金融危機になっているということなのでしょう。読めば読むほど、今回の危機の大きさを実感せざるをえないですね。
はぁぁぁーーーぁ。
新行内 宏之 | 08/10/06 07:59 | トラックバック(0)
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