- 2012
03
13 Gap Inc.のソーシャルメディアガイドライン
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先週ニューヨークに行く機会があり、Gap Inc.の広報担当者のソーシャルメディア戦略について話を伺いました。一時間ほどのセッションは最初から最後まで"Wao!"の連続でしたが、詳しい報告はまた別の機会にゆずります。
そんなセッションの中で特に印象的だったのは、Gapがスタッフに配布しているソーシャルメディアポリシーでした。公式アカウント管理者向けではなく、一般社員向けのものです。セッション後にどさっと講師デスクの上に積み上げて「興味があったらどうぞ持って行って」てなもんです。完売になる前に駆寄ってサルベージ!
日本でもソーシャルメディアの公式アカウントを持つ企業の25%が一般社員向けの運用ポリシーを作成している(※1)そうです。とはいえ大企業を除いたら一気に数値が下がりそうですけど。
※このブログエントリは3月初旬にニューヨークで行われた"Reputation Preservation & Crisis Communication USA 2012"に出席した時のレポートです。
中身を見る前にこの体裁にやられてしまいました。
すべてのガイドラインに目を通しているわけではありませんが、どうでしょう、もっとガッチガチのいかにもガイドラインだぜ、な体裁が多いのではないでしょうか。第一条 第一項 我が何たるこんたるであるべし
そうなっちゃった瞬間に、一般スタッフにとってのソーシャルメディアは何だか恐ろしくてわけのわからない怪物になってしまうか、ガイドラインなんて無視を決め込むしかなくなりそうな気がしませんか?
表紙からの1ページ目
毎日みんなが、私たちGapのことを話してるんだよ!Gap にはあなた自身も含まれるんだよ。あなたの行動次第によっては、会社や株主に損害を与えるだけじゃなくて、アナタ自身の仕事を失う可能性がある(実際にBold表記)
うん、でも心配しないで。正しいことをしよう。ガイドラインに従えば大丈夫!質問なんかあったらメールしてね。あなたをサポートするために私たちがいるんだから!わすれないで!
ネットで公開された情報は消せないからね!
あんまり刺激的になりすぎないこと!
あなたの発言は、お客さんが見るかもと思ってね
他の人の権利を尊重するんだよ
まずは自分の仕事をしっかりやろうね
迷ったらそうだんしてちょ
まだ続くよん
質問はこちらまで
いい感じでいられる方法
ルールを守ろうね
感じ良くね!
あなた自身であろうね
間違ったらすぐに訂正しよう
価値を創造しようぜーーったいにだめ!(碧いうさぎ調)
業績に関わることすべての公開
個人情報の公開
攻撃的な態度
不正確な情報の投稿
不確か、非公開、極秘な情報の投稿
自分に関係ないところに首突っ込む
仮にお客様からいちゃもんつけられた投稿見つけても反応しないこと「このゲームに勝者なし!」私たちに任せなさい思考するSCLブログの一回目はいかがでしたでしょうか。これくらいのライトタッチで、でも真剣に思考した結果を記事にしてお届けしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
※1 『ソーシャルメディア白書2012』より今日の思考
以前だと2チャンネルとか、ブログとかにアクセスできないように制限をかけていた職場もあったかと思います。今だとTwitterとかFacebookなんかがそこに入っていたりするわけで。偉そうに言うことでもないですが、働いてる人はiPhoneだのAndroidだのを持って生活しているのだから、職場からのアクセス制限ってどういう意味があるのか分からなくなってきてますよね。これ以上例をあげると下品な例えになりそうなので避けますけど、やるなっていっても隠れてやるんだとしたら、自分事として考えられるような環境作りが必要だと思います。これ、企業の責任だと思います。
ルールを作っておしまいではなくて、手に取ってもらって中身を理解してもらえる努力が必要だなと感じました。このGapのガイドラインなら長財布にいつも入れておけるサイズです。ここは素直に真似したいですね。
なんかうまいこと、思考に落ちなかったけど一回目なので許してください。
- Hitoshi Eiga栄花 均
ソーシャルメディア・ストラテジスト、なんて名乗ったりしているが海外単身赴任生活の孤独を埋めてくれたFacebookへの思い入れがひと際強い。
ソーシャルメディアを考えるのは人生を考えること。人生を考えるのは、自分の周りの人を考えること。その人たちと何をするのかが人生。海外の最新情報や、事例の紹介、費用対効果、マーケティング情報は他に任せる。ソーシャルメディアを思考するブログ。それがこのブログです。
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